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2005年5月24日 (火)

安藤美姫。

つい4日ほど前にに感化、もとい薫陶されてブログデビューしたわけだが、それまではTBを結核(T.B.=tuberculosis)だと信じて疑わず、『ブログでTB?新手のウィルスか?』などと思っていたしだいである。

今現在、このブログは鎖国状態であって、姉のブログ以外とのつながりはないのだが、調べてみると最近のTBのトップアイテムは『安藤美姫』であるらしい。まぁ、そのほとんどが『とある疑惑』についてであり、選手としての彼女を応援しているわけではない。そういうことはそういう人たちにお任せするとして(リンクもしない)、自分の結論は最後に(引っ張るんかいっ!)

これに昨年の流行語大賞のひとつ『萌え』なんかを入れてみるともぅ無敵なのだろうが、二つを並べるとこの管理人の自我の崩壊を招いたりしそうなので、やめておく。でも、ここに入れときゃサーチエンジン対策にはばっちりか。日本で南大門が流行したら、姉と安藤美姫とナンパオという異色の競演の成果なので。

フィギュアスケートは嫌いではない、っつーか、好き。マニアと思われてもいけない(?)ので深くは語らないが、とりあえず先ごろ行われた世界選手権である。フジの中継の国分・内田の存在理由とか、解説・実況の息の合わなさとか、ストリーミング対策かなんか知らんが画面上から消えないテロップとか、突っ込みどころはたくさんあるのだが、『これは日本の3選手をおかずに部外者が盛り上がるためのバラエティであって、スポーツ中継ではない』と割り切れば、まぁ見れなくはなかった(寛大な処置)。中継時間も3局の中では最短。でも実際、点数の表示方法に限って言うと、今回見た3局の中継の中では一番よかった。

しか~し、国際スケート連盟(ISU)がソルトレークでの大失態を教訓に採点方法を試行錯誤しつつもなんとか改良したのと、今シーズンの世界ランキングの上位3人がすべて日本選手であるというのは万人周知の事実と仮定しても、フリー滑走の直前の段階で『4回転でメダル』っつうのは盛り上げたい局の方針としても滑りすぎ、である。おそらくフジの中継の違和感の一番の原因、それは『4回転=すごい技=決まればメダル』の三段論法の押し付けだ。さすがにルールと選手を一番知っている解説の八木沼さんは、ミッシェル・クワンの逆転入賞の可能性には言及しつつも、『4回転=表彰台』というコメントをしていない。ただ滑走順が荒川選手のあとスルツカヤ選手の前、って言う状況だったんだし、結果度外視して4回転跳ぶっちゅう手もあったな。もしそれだけでも成功してたらフジと観客大喜びで成績を上回る価値が出たろうに。

『安藤ファン』のブログで安藤選手の得点が低いと訴えている人たちもいるが、さすがにイリーナ・スルツカヤの演技に勝てると叫ぶ方はお見受けしなかったので、よしとしよう。持病の心臓病の薬の副作用がもろに顔に出ている上に、おなじく副作用で低下している持続力、地元での大会、さらに同郷の男子の金メダル最有力選手が予選通過後に怪我の後遺症で棄権するなど、数多くのプレッシャー要因のなかであの演技を披露して優勝しなければ会場は暴動必死のモスクワである。無論客観的に見ても彼女でなければ誰が優勝するのか。

安藤選手の技術に対する過小評価というのも期待が大きい上の被害妄想である。彼女のフリー演技の得点において、5系統の得点項目のうちジャンプなどの技術が加点要素となる技術系の割合は20.8%で最終順位上位10選手の中でトップである。ついで3位入賞のカタリナ・コスナー選手なのだが、この2人の共通点ははっきりしている、若いのだ。若い選手が技術と体力で点数を稼ぐ中、ベテラン選手は構成、表現、つなぎなどの加点で上位につけるのである。その意味で、若い安藤選手の技術以外の部分に目を向けると、残念なことに表彰台には届かない。

これはフジ以外の2局の中継でははっきりコメントされているのだが、国際大会で表現力が認められているのは、日本選手の中では村主選手だけ。カナダのCBUTの中継にいたっては日本人選手の演技中に新しい採点方法についての解説をはさまれている始末。過去の大会において、入賞しなかったにもかかわらず演技の芸術性を買われてガラに招待された村主選手とは評価が違うのである。(ガラ=試合後に行われるエキシビション。通常本大会の入賞者を主催者が招待する。入賞常連選手は衣装も曲も構成も本大会とは違うもの、さらにルール上本大会ではできない演技(宙返りなど)や衣装(Tシャツにジーパンなど)を披露したりする選手もいる)。

個人的な採点基準で申し訳ないのだが、『表現力』をはかるのに、演技時間に対する観客の拍手と手拍子の時間をみるとあまり大きく外れない。ホームアドバンテージがあると誤差が出るが、意外と観客は公正な目で見ている。スルツカヤのステップ、クワンのスパイラル、サシャ・コーヘンのスパイラル&スピン。長時間の拍手・手拍子を稼ぐこれらのポイントに対し、4回転は一瞬である。ジャンプは3回転でも踏み切りの直前までステップが刻める選手たちと比較すれば、現時点での安藤選手にはひとつの流れだけをとっても加点要素で勝ち目はない。

さて、日本人4選手が世界ランキング5位までに入っている事実と矛盾すると思われるかもしれない。が、世界ランキングは今シーズンの成績と咋シーズンの結果(の70%)を合計したものなので、シーズンを棒にふったスルツカヤの得点はゼロ。さらに新採点基準の採用時期を甘く見ていて構成を変えてこなかったクワンなどにたいし、客観的な新採点基準によって『表現力不足』などでの減点にブレーキがかかった技術重視の選手が上位に食い込む『過渡期の現象』と考えると、技術バブルなのかもしれない。さらに今シーズンの採点全般において技術系の点数が常につなぎ系の点数を上回る状態に対しISUが採点基準を調整したりすると、確実に技術バブルははじける。相手がいる大会なのだから、選手個人がどんなに頑張ってもそれ以上の選手が3人いれば、表彰台にはあがれない。

その手の人たちの中には最後に4回転をキメたときと、現在の安藤選手の体型の変化に言及する向きもある。確かにフィギュアと共通点の多い体操競技の場合だと女性的な体型の変化は致命的な影響を与えることはある。ただそれは競技上、その恵まれた成長を遂げた(遂げてしまった)部分が回転の中心からずれていることに起因し、さらに採点上、バランスをとるために背中を反ることが減点の対象になるからであって、回転の中心が体重の鉛直線にあり、しかも背中を反ることが加点要素になりえるフィギュアの場合(通常のスピンに対するレイバック・スピンなど)、選手自身がアジャストできるのであれば、体操ほどの影響はでない。もちろん空気抵抗なんぞ無視できるので岩崎恭子選手ほどの影響も受けない。まぁ横に広がったんなら話は別だがそれをカバーするのは衣装さんの仕事。むろんそのぶんのスタミナは必要になるが。

で、現時点で4回転をきめてきた場合だが、ほかの選手が完璧に演技をしたときにはやはり勝てない。が、オリンピックで、というのは微妙な問題で、冬季五輪過去2大会の女子フィギュアは初出場選手が金メダルを獲得している(長野のタラ・リピンスキ、ソルトレークのサラ・ヒュー)。しかもこの2選手は若かった。その線からすると安藤選手、買いである。あとがないクワンのプレッシャーを考えても、超有利か。しかし2選手とも押し付けがましいほどの表現力を要求する文化圏出身(はやいはなしアメリカ代表)であり、本番でミスをしなかったという条件付である。その線からすると安藤選手、キビシイのだ。

結論として、この一年で4回転を完璧にするだけでは、トリノでの表彰台確実、とはならない。逆に4回転に固執せずにジャンプ前後、特にリンクを対角に助走滑走からジャンプ・コンビネーションに入る前の棒立ち+バランスをとるだけの両手、あるいはリンク中央を縦一直線にステップを刻む際に下を向かないなど、観客に訴える要素を追加するとか、意表をついてマイケル・ワイス選手のブレード(通常のフィギュアのブレード+カカトが丸くなっている。つま先を立ててカカトだけで滑走することが可能。引退間近なので継承者募集中。加点要素は微妙)を活用する振り付けを加えるとか。

んで、最初に触れた疑惑については『あれも私の表現の一部です』くらい言ったらたいしたもんだ(加点ゼロ)。とすれば2シーズン滑ってきた『火の鳥』は封印必至だな。とりあえず哺乳類にしとかないと(結局こんな結論かい。しかもなげぇよ。)

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